第23回お金コラム 年金保険制度

「お金コラム第21回 日本の公的保険~社会保険~」では日本の社会保険制度を紹介しました。その中に「公的年金制度」というものがあったことを覚えているでしょうか。年金制度は、加齢などによる稼得能力の減退・喪失に備えるための社会保険で、防貧機能を有します。よく、「日本の年金制度は3階建て構造だ」と言われますがどういうことなのかご存知でしょうか。今回は、日本の年金保険制度について紹介します。

国民年金保険(1階)

20歳から60歳未満の全国民が義務として加入している年金制度です。自営業者や学生、フリーター、無職の方も対象です。老齢年金を想起する方が多いと思いますが障害基礎年金や遺族年金もこの国民年金保険に含まれます。老後の生活を支えるだけでなく、障害が生じたときの生活や被保険者の遺族を支える制度です。
保険料は、サラリーマンの場合は給料から天引きされ、一部は職場が負担しています。その他の方の場合、保険料は、口座振替や納付書でのお支払い、クレジットカード、スマートフォンアプリ、ねんきんネットで納付するなどの方法があります。納付した国民年金保険料は、所得税や個人住民税の計算上、全額、社会保険料控除の対象となります。ちなみに、学生や無職などの事情により、国民年金保険料の納付が経済的に難しいときは免除制度・納付猶予制度や学生納付特例制度を利用できます。このような制度を利用せずに国民年金保険料が納付期限までに納付されない場合、納付勧奨が行われます。また、期限までに保険料が納付されないと、障害基礎年金や遺族基礎年金を受給できない場合がありますので注意しましょう。
老齢年金を受け取れるのは、以下2つの条件を満たす場合です
・65歳以上(厚生年金保険の加入期間が1年以上ある場合は60歳(男性は62歳)以上65歳未満)
・年金を受けとるために必要な資格期間(保険料納付済等期間)が10年以上の方
※受給年齢になるときに日本年金機構から「年金請求書」が送付されます

どれくらいの年金を受け取れるかは、保険料をどれくらいの期間納めていたかによって変動します。日本年金機構の「ねんきんネット」に登録すると、将来の年金受給額の試算ができるツールを利用できますので、一度試算してみてはいかがでしょうか。
なお、障害基礎年金や遺族基礎年金の受給にはそれぞれ条件や申請方法があります。詳しくは日本年金機構のサイトや年金事務所窓口にて確認してみましょう。

厚生年金保険と国民年金基金(2階)

【厚生年金保険】
会社員や公務員などの給与所得者が対象です。事業所ごとに加入する保険で、以下のような事業所は必ず加入することになっています。
・常時従業員を雇っている法人の事業所(株式会社など)
・常時5人以上を雇っている個人の事業所(飲食店や旅館などのサービス業を除く)
・従業員の半分以上が同意し、会社が申請した事業所
保険料は毎月の給料9.15%分を納めることになっています。定年退職後の65歳から「老齢厚生年金」として受け取ることができますが、60歳に繰り上げることも70歳に繰り下げることもできます。受給額は、保険料の納付月数や収入金額によって異なります。計算が非常に複雑なため、基本的には「年金定期便」や「ねんきんネット」を活用して確認するようにしましょう。

【国民年金基金】
自営業者等向けの任意加入の年金制度です。先で紹介した厚生年金に加入している会社員等の給与所得者と、国民年金だけに加入している自営業者等との間で生じる、将来受け取る年金額の差を解消するために生まれた年金です。
厚生年金と大きく異なるのは、加入は口数制で年金額や給付の型は自分で選択できる点です。そのため、保険料は給付の型や掛け金、加入時の年齢・性別によって異なります。年金の受け取りについては、通常は65歳から受け取ることができますが、60歳に繰り上げることも可能です。掛け金や受給できる年金額の詳細は、国民年金基金のサイトでシミュレーションできますので気になる方は一度活用してみましょう。

私的年金(3階)

的年金の上乗せの給付を保障する制度です。「1階と2階だけでは不安」という方はこの「3階」の保障も検討してみてはいかがでしょうか。私的年金は下記の種類があります。

【企業型確定給付年金(DC)】
企業と従業員があらかじめ給付内容を約束し、従業員の高齢期において給付されるものです。設立に必要な加入者数は、基金型では原則として300人以上となっています。規約型には人数要件はありません。掛金は、原則として事業主が負担しますが、本人同意の上、2分の1を上回らない範囲で本人に負担させることも可能です。年金給付は、原則として終身または5年以上の有期年金とされています。

【企業型確定拠出年金(DC)】
企業が掛金を拠出し、主に企業が主体となって運用を行う制度です。基金型(別法人として設立された企業年金基金が、制度内容を定めた年金規約に基づき年金資産を管理運用する)と規約型(事業主が従業員の同意を得て、制度内容を定めた年金規約に基づき、掛金を外部に拠出することにより、その年金資産を管理・運用し、年金給付を行う)の2種類があります。
将来受け取れる年金額は、勤務期間や給与に基づいて計算されるため、あらかじめ確定しています。また、運用主体が企業側にあり、運用結果が悪く年金額が足りなくなった場合は企業が不足分を補填しないといけないため、企業にとっては責任の重い制度と言えます。
企業型確定拠出年金はすべての企業で導入しているわけではなく、確定拠出年金制度を導入している会社に入らないかぎり加入対象とはなりません。

【個人型確定拠出年金(iDeCo)】
個人の任意で加入し、毎月職業に応じた掛金の上限以内の金額を積み立てて運用を行い、老後に年金として受け取ります。企業型私的年金制度がない企業に勤めている人も活用できる。さらに、企業型確定拠出年金制度を利用している人も条件次第でiDeCoも併用することができます。積み立て期間中の税金が安くなる、運用益には税金がかからない、積み立てたお金を受け取るときには大きな控除枠を使えるなどのメリットもあります。

最後に

年金保険制度について紹介しましたがいかがでしょうか。障害がある場合や老後の生活を支える年金について理解が深まれば幸いです。次回は「介護保険」について詳しく紹介しますのでぜひ併せてお読みください。
当サイトでは認定ファイナンシャルプランナーによるお金の無料相談も受け付けています。確定拠出年金についても対応いたしますのでお気兼ねなくお問い合わせください。

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