第16回お金コラム 就職や仕事のスキルアップのための制度と給付金

収入を増やすために転職を検討している方もいらっしゃるかと思います。未経験の仕事に就く場合はスキルを身に付けたり資格が必要になることもありますね。ただ、学校に通うとしたらお金がかかりますし、ひとり親家庭などの都合で資格取得のハードルが高い場合もあるかと思います。今回は個人でも利用できる、就職やスキルアップに関わる制度と給付金を紹介します。

ハロートレーニング(公共職業訓練・求職者支援訓練)

ハロートレーニングの公共職業訓練・求職者支援訓練は、ハローワークの求職者を対象に、職業相談等を通して受講が必要と判断されたときに、再就職に必要な訓練を受けられる公的制度です。雇用保険の受給資格の有無にかかわらず無料で受講することができます。一定の要件を満たす方には受講中の生活を支援する雇用保険の各種手当や給付金なども受けられます。
ちなみに、ハロートレーニングには、中小企業等の勤めていてスキルアップをしたい方向けの在職者向け訓練(有料)、中学・高校卒業者や専門課程修了者などが対象の学卒者向け訓練(有料)、障害者向け訓練(無料)もあります

母子(父子)家庭自立支援給付金

ひとり親家庭の方が、仕事のスキルを得るための講座を受講したり、資格取得のために修業したりする場合、授業料や生活費の負担軽減のために支給される給付金です。児童扶養手当を受けているか、または同様の所得水準の方が対象です。大きく分けて3つの給付金があります。

・自立支援教育訓練給付金
ひとり親家庭の親が適職に就くために必要な教育訓練を受け終えた後に申請できる給付金です。そのため、最初は受講料を全額自己負担することとなります。雇用保険の教育訓練給付の受給資格を有していない方の場合、指定教育講座を修了した場合、経費の約60%(上限200,000円、12,000円以下は給付対象外)が支給されます。一般教育訓練給付金を受ける方は、同給付金の額を差し引いた分が支給されます。対象の業種は多種多様です。指定教育講座は「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム」のサイトで検索できます。

・高等職業訓練促進給付金等
就業に必要な資格取得のために、一定期間以上養成機関等で修業する場合等受けられる給付金です。ひとり親家庭の親が仕事または育児と修業の両立が困難な場合の生活の負担の抑え、資格取得をサポートします。支給期間最大4年間の高等職業訓練促進給付金と修了日の翌日以降に支給される高等職業訓練修了支援給付金の2つがあります。対象の資格には看護師や介護福祉士などの国家資格、デジタル分野等の民間資格などがあります。
なお、この給付金を受けている方は、養成機関の入学時と就職時の金銭的負担を軽減させる、高等職業訓練促進資金貸付事業も利用できます。

・高等学校卒業程度認定試験合格支援給付金
高等学校卒業程度認定試験に合格することが適職に就くために必要な場合に、高等学校卒業程度認定試験に合格するための講座を受け、修了したときに受講費用の一部が支給されます。なお、ひとり親家庭の親だけではなく子ども(児童)も対象です。
自治体によって制度の有無や要件等が異なる場合がありますので詳細は自治体の窓口にお問い合わせください。

教育訓練給付金

厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、受講費用の一部が支給される給付金です。働く方々のスキルアップやキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を目的としています。一旦受講料は自己負担することになりますが、講座を終えた後に、受給資格を有していると申請することができます。対象となる教育訓練の業種は、輸送・機械運転関係、情報関係、事務関係、技術関係など、多岐にわたります。また、訓練の種類は専門実践教育訓練(中長期的キャリア形成を目的とした教育訓練)、特定一般教育訓練(労働者の再就職及び早期のキャリア形成を目的とした教育訓練。要件を満たせば「教育訓練支援給付金」も受けられます)、一般教育訓練(その他の教育訓練)の3つに分かれ、それぞれ条件や支給額と内容も異なります。指定されている講座は「教育訓練給付制度 厚生労働大臣指定教育訓練講座 検索システム」のサイトで検索できます。

企業独自の制度

企業によっては業務で必要な資格取得やスキルアップにかかる費用を会社が負担する制度を設けている場合があります。既に働いている方は、勤務先の規定を確認したり、上司や総務部門に問い合わせたりしてみましょう。

最後に

いかがでしょうか。今回紹介した給付金の大半は、講座を受け終えた後に給付金を受け取る仕組みのため、初期費用が発生する点に注意しましょう。特に公的制度の場合は制度変更がなされる場合もありますので、各自治体や厚生労働省、ハローワークのサイト等で最新情報を確認しましょう。また、給付金の対象になるか判断に迷ったときは各種窓口に確認しましょう。
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