第7回 お金コラム キャッシュレス決済について知ろう

コロナ禍を機に浸透したもののひとつに「キャッシュレス決済」があります。現金を使わずにデジタル手段を使って支払いを行う方法です。浸透した背景には、2025年までにキャッシュレス比率40%を目指すという政府のキャッシュレス政策もあります。ただ、その浸透とともに様々な決済サービスが現れ、混乱している方や使っていても使いこなせていないと思う方も中にはいるのではないでしょうか。今回はキャッシュレス決済の種類やメリットとデメリットを見ていきましょう。

キャッシュレス決済の種類

キャッシュレス決済は大きく分けて、以下の種類に分類されます。

1.クレジットカード
なじみ深い方も多いのではないでしょうか。クレジットカードは、いわゆる「後払い」の仕組みを採用しています。クレジットカードを利用したら、まとめてカード会社から請求書が送られてくるので、その金額をカード会社に支払うことになります。その後、カード会社経由でカードを利用して買い物をしたお店に料金が支払われます。また、カード利用者は一括払いや分割払いなど、支払い方法を選択できます。

2.デビットカード
デビットカードは、銀行口座と連携しており、口座から直接支払いが行われます。いわゆる「即時払い」タイプの決済手段です。

3.電子マネー
電子マネーは、専用のカードやスマートフォンアプリを介して支払いを行ないます。基本的には、一定額をチャージしておき、その残高を使って商品やサービスの支払いを行いますので「前払い」タイプです。交通系ICカードやスーパーなどで発行している独自の電子マネーなどが該当します。なお、クレジットカードと紐づけして利用する場合もあるので、その場合は「後払い」システムが当てはまります。

4.バーコード決済
コロナ禍を機に、目にする機会が増えた方も多いかと思います。専用の二次元コードやバーコードを読み取って支払いを行う方法です。消費者は専用の決済アプリにチャージしている残高やポイントアプリを使用して支払いを行ないます。バーコード決済にはストアスキャン方式とユーザースキャン方式の2種類があります。ストアスキャン方式では店舗側が消費者の二次元コードやバーコードを読み取って決済しますが、ユーザースキャン方式は、消費者が店舗側の二次元コードやバーコードを読み取って決済することになります。なお、バーコード決済サービスの中には、遠方の相手にアプリを通して送金をしたり、アプリのポイントを使って投資を行ったりすることができるものもあります。

5.スマホ決済システム
上記1~3を、スマートフォンを介して行う方法です。スマートフォンに銀行口座やクレジットカード、電子マネーを登録し、スマートフォンをかざすだけで支払いを行うことができるシステムです。ただし、登録できるカードで電子マネーには限りがありますので注意しましょう。

キャッシュレス決済のメリットとデメリット

ここでは消費者視点でのメリットとデメリットを見ていきます。

【メリット】
1.現金を持ち歩かなくて良いため荷物が減る現金を使わないため財布が軽くなり、荷物が少なくなるため快適に買い物ができます。

2.衛生面で安心
コロナ禍を経て衛生面を気にするようになった方も多いのではないでしょうか。支払い時に現金に直接触れることがないため、キャッシュレス決済は衛生的とも言えます。

3.決済がスムーズ
急いでいるときに限って、財布の中のお札や小銭を数えるのに時間がかかってしまうという経験をしたことがある方もいるでしょう。キャッシュレス決済であれば、カードやスマートフォンを利用するだけで丁度の金額を支払うことができるので大変スムーズです。

4.お得に買い物ができる
キャッシュレス決済を利用したときにポイントが獲得できるサービスが多くあります。ポイントは決済に利用できたり、商品券と交換できたりするため、現金での買い物よりもお得になります。また、各種キャッシュレス決済サービスでは随時キャンペーンが行われています。大幅割引やポイント還元率アップの機会もあり、うまく活用すれば家計の節約になるでしょう。

5.管理がしやすい
多くの電子マネーは支払い情報がすべてデータ化され履歴として残っています。そのため、レシートを保存したり、書き込んだりといった管理の手間が省けます。なかには、支払い後すぐにアプリで確認できるものもあります。

6.若年層でも使えて金融教育のきっかけになる
なかには、「年齢制限がない」「小学生から使える」といったキャッシュレス決済手段もあります。そのような電子マネーを使って子どもにお金の使い方を学ばせることもできます。最近では修学旅行のときに子どもに現金だけではなく電子マネーも持たせるという方もいます。

【デメリット】
1.キャッシュレス決済に対応していない店舗もある
まだキャッシュレスに対応していないお店もありますので事前に確認しておくようにしましょう。キャッシュレス決済をメインで利用する場合でも最低限の現金も持ち歩くと安心です。

2.不正利用されるリスクがある
キャッシュレス決済に使うスマートフォンやクレジットカードは、盗難やスキミング、パスワードの流出が原因で不正利用されるリスクがあります。パスワードを強固なものにしたり、スマートフォンのロック解除に生体認証機能を使用したりするなど、セキュリティ対策は念入りにしましょう。

3.金利や手数料、年会費が発生する場合がある
クレジットカードは分割払いができるというメリットがありますが、分割払いは手数料や分割に伴う金利が発生する場合があります。利用しすぎると毎月の引落し額が自分の支払い能力を超える恐れがありますので管理を怠らないようにしましょう。また、カード会社によっては年会費が発生する場合があります。ただ、年会費がある分還元率を高めに設定していることが多いため、用途や利用額に合わせてカード会社を選ぶようにしましょう。

4.管理しないと使いすぎる心配がある
キャッシュレス決済のメリットに管理のしやすさを挙げましたが、現金がなくても支払いができてしまうため無駄遣いをしてしまう場合があります。また、現金として持っていた方が管理しやすいと感じる方もいるでしょう。使いすぎを防ぐには「前払い」方式のキャッシュレス決済を選択するという方法もあります。自身がしやすい方法で管理することが大切です。

5.機器の故障や災害時には利用できない可能性がある
キャッシュレス決済で使用しているスマートフォンやカードに不具合があると、決済がうまくいかない場合があります。また、機器の故障や災害時に停電が起きると、店舗側がキャッシュレス決済に対応できないこともあります。北海道では2018年の胆振東部地震のブラックアウトのときに実際に経験した方もいるかもしれません。キャッシュレス決済と現金と複数の支払い手段を常に用意しておくと安心です。

最後に

キャッシュレス決済について見ていきましたがいかがでしょうか。家計の節約やセキュリティ面、利便性など様々な観点から状況によって使い分けてうまく活用しましょう。
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